取り巻く環境
現状や今後の動向、将来性をご紹介します。
伸びゆく福祉・介護業界について
国内の高齢者人口割合は増加中であり、65歳以上の高齢者の割合である高齢化率は2000年に17.2%であったものが、2050年には35%超の水準に上昇する見込みである。
これに伴い現役世代の負担は増加し、2050 年には65 歳以上の1人を15歳~64歳の1.3人で支える構造となる見込みである。
出所:国内介護市場の動向について|インダストリー:ライフサイエンス・ヘルスケア/ヘルスケア
出所:2020年以降/ 人口問題研究所日本の将来推計人口 (2012年1月推計) 2010年以前/国勢調査より
デロイトトーマツファイナンシャルアドバイザリー合同会社作成
また、介護産業の市場規模予測を見ると、2015年度が9.8兆円に対して2020年は11.1兆円、2027年度は13.5兆円と、年率約2.7%平均での成長が見込まれています。
ヤマシタの売上推移
ヤマシタが「在宅介護のプラットフォーマー」として日本を変える
高齢化社会を背景とした社会福祉・介護業界のビジネスは、高い利益率や堅調な成長が予測されています。しかし、2030年の世界について解像度を上げて見てみると、957万人の要介護・要支援者が介護難民になる可能性が高まるリスクがあります。高齢者の方々が、ご自宅で安心して質の高い生活を送るためには、在宅介護の変革が求められます。ヤマシタは「在宅介護プラットフォーマー」へ進化して、この業界変革をリードしていきます。ヤマシタでは、DX推進、ビジネスモデル変革、人的資本経営を進めており、大手外資系出身者がリードし、体制を強化しています。
*1:要介護要支援者人数:介護事業状況報告月報(構成労働省2022年1月)全国要介護度別平均認定率をもとに推計
*2:介護職給報酬水準:令和3年分民間給与実態統計調査(国税庁令和4年9月)
*3:介護業界の働き手不足:「介護人材確保に向けた取り組み」厚生労働省
*4:介護業界動向(みずほ銀行調査部)
*5:2040年を見据えた社会保障の将来見通し(内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省)平成30年5月21日
*6:厚生労働省の「介護保険事業状況報告(月報・暫定)」令和5年3月分(1月サービス分)
*7社会保障費の負担:将来推計人口(厚生労働省令和5年推計)
*8働きながら介護、30年に経済損失9.2兆円 経産省試算(日経新聞2023年3月14日)
経営戦略を実現する人財戦略
「在宅介護プラットフォーマー」へ進化するためには、経営戦略を実現するシナリオが必要です。ヤマシタでは、長期ビジョンを実現するための経営戦略を達成するためのバランスド・スコアカード(BSC)を使ったマネジメントストラクチャーを構築しています。これによって、財務、顧客、プロセス、そして人財を一貫したシナリオで戦略実現の連動性を高めています。また、この戦略を実現するためには、社員がやりがいをもって働いていただくことが重要です。そのため、ブランディング、採用活動から退職まで社員の方がヤマシタと関わる旅(エンプロイー・ジャーニー)にもとづき、社員のやりがい(EX)を高める一貫した施策を提供します。
出所:高齢者住宅新聞にて当社人財本部副本部長 菅原聡の連載記事が掲載されました|ヤマシタ
法制度の影響を受けやすいビジネスだから、常に変化を求められます。
高齢化社会を背景とした社会福祉・介護業界の高い利益率や堅調な成長予測から、私たちのビジネスは安全安泰と思うかもしれません。確かに事業環境は堅実ですが、一方、法制度の変更でそれまでのノウハウや強みが一気に変わってしまう可能性があるビジネスでもあります。下の表は、介護保険制度が施行された2000年以降、私たちに影響を与えた法律や制度の一覧です。
2006年 施行 |
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2009年 施行 |
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2012年 施行 | 地域包括ケアの推進 |
2015年 施行 |
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2018年 施行 |
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2021年施行 |
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これだけの頻繁な変化が起こりながらも、私たちが着実な成長を遂げているのは、変化に順応する風土が備わっているからです。過去の成功体験にこだわらず素早く行動することを推奨している私たちだからこそ、変化を恐れず立ち向かっていくことができます。ヤマシタで共に働く人に求められる「行動力」は、このような事業特性から生まれてきたものなのです。
観光・医療のインフラであるリネンサプライ業界について
インバウンド需要が戻ってきたことにより、2023年の訪日観光客のインバウンド消費額は約5.3兆円として過去最高額となりました。2030年にはさらに10兆円までに到達すると予測され、インバウンド需要は、日本の再興の産業として捉えられています。
インバウンド需要は、日本“再興”の市場
また、2023年での訪日観光客数は約2,500万人で、コロナ禍前の8割にまで回復しており、2030年には約2.5倍となる6,000万人と予測されています。当社商圏におけるインバウンド訪問者割合は2023年から2030年には2倍以上となり、観光立国推進が本格化していく見込みです。
ヤマシタ商圏インバウンド訪問者数は2倍以上に
インバウンド旅行者が宿泊する施設は、当社の主要セグメントとなるビジネスホテルが中心であり、インバウンド需要の受け皿として捉えています。リネン類の安定供給かつ適正品質を通して、日本の観光立国推進に貢献していきます。
ホテルセグメント別客室数比較
成長市場の「需要」を取り切れない課題
訪日観光客数のさらなる伸びを支えるための宿泊業界においても「人手」不足が深刻化していますが、併せて、リネンサプライ業界においての「供給」不足によって、ホテルの稼働率に影響を及ぼしかねない問題点も懸念されています。
インバウンド需要は増えるが、需要を取り切れないリスク
インバウンド需要を獲得する「成長への投資」そして実現したい世界
当社としては、工場新設や設備・DX化・人への投資を通じて品質と効率の双方の向上に努めていくことで、2030年までのインバウンド需要を着実に対応し、業界構造を支え、変革を促していきます。
ヤマシタが考える課題解決の方向性
当社では、約50億を超える大型投資として関西工場新設を予定しています。基本コンセプトには、早期の投資回収かつ圧倒的なコストリーダーシップを掲げ、関西商圏の市場拡充に向けて大いなる期待をもって現在進行しています。
関西新工場建設
当社は業界8番~9番手となる位置ではありますが、創造性をもって新しいチャレンジへ踏み出し、業界のベンチマークになるような事業運営体になることを目指しています。そうして観光・医療双方を支える日本再興のインフラサービスとしてリネンサプライ事業を捉え直し、業界を変革していくことを目指しています。