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Microsoft Fabric 日本初導入企業・ヤマシタが実現した 現場主導のデータ活用と意思決定改革

Microsoft Fabric 日本初導入企業・ヤマシタが実現した 現場主導のデータ活用と意思決定改革

2025.12.26
DX
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Release:2025.12.26 Update:2025.12.26

はじめに

ヤマシタに限らず、今後のAI活用やビジネス上の判断を行うためにもデータの重要度は一層増している状況です。
今回はDX推進部のデータスチュワードとしてFabricを担当する小松崎が、日本初導入企業となったMicrosoft Fabric導入の経緯、ヤマシタ内の開発体制、今後のデータの活用に関する展望、ヤマシタにおけるデータ活用の魅力についてお伝えさせていただきます。

 

Excelからの脱却、AI時代を見据えたMicrosoft Fabric導入経緯

ホームケア事業部において、Fabric導入以前は、システム担当者が朝にデータを提供、事業部担当者が半日近くを費やしExcelで売上の最新情報等のレポートをExcelで作成、ファイルサーバにそのExcelを配信する、といったことを繰り返していました。
変えたかったのは、この“がんばりでつなぐ”日常です。2023年、当時アジアでも前例のなかった Microsoft Fabric の導入に踏み切り、データが自然に集まり、正しい形で流れ、現場の意思決定にそのまま届く仕組みをつくり始めました。Excelを置き換えることが目的ではなく、「判断が速く、次の一手が見える」を当たり前にすること、近い将来起こるであろうAI活用が当たり前の時代を見据えて。
Fabric導入後、今では早朝に各システムから自動連携された最新データがレポートに反映され、事業部側の責任者や営業担当者1000名以上が、Fabricのレポートを開き、同じレポート見て今日の活動の方向性や今後の会話を始めます。Excelで運用していた時と比べて作業効率が上がったことはもちろん、PDCAサイクルが早くなったこともあり、今ではFabricが事業部の重要なインフラ基盤となっています。
数字を見るから、動きを変えるへ。そんな当たり前を、私たちは積み上げています。

 

 

※事例記事(Microsoft社サイト)
https://www.microsoft.com/ja-jp/customers/story/22430-yamashita-co-ltd-azure
 

 

Microsoft Fabric導入から活用まで

202311月|Microsoft Fabric 導入を決定
ヤマシタにおける新たなデータ基盤として、Microsoft Fabric の導入を正式に決定しました。全社横断でのデータ活用を見据えた第一歩となります。

202312月|日次レポート作成を開始
ホームケア事業部にて、新規獲得状況を可視化する日次更新レポートの作成を開始しました。これにより、日々の実績を迅速に把握できる環境づくりが始まりました。

20244月|基盤・レポート構築完了、一部公開開始
データ基盤および主要レポートの構築が完了し、一部ユーザーへの公開を開始。実運用を通じた改善フェーズへと移行しました。

20246月|売上・KPIレポートの拡充
ホームケア事業部全体の売上データレポート、および重要KPI指標レポートの作成を開始。経営・マネジメント層の意思決定を支える基盤が整い始めました。

202410月|主要レポートを全社員へ公開
ホームケア事業部における主要レポートの作成が完了し、事業部全社員への公開を開始しました。
これにより、
・Excelによる資料作成工数の大幅削減
・前日業務終了時点での数値集約
・早朝までにレポートが自動で完成する仕組み
といった業務改善を実現しました。

20254月|営業所会議資料を Fabric へ移行
ホームケア事業部各営業所で月次実施している会議用資料を Microsoft Fabric へ移行。
これまで営業所側で行っていた資料作成作業の工数削減を実現しました。

20255月|営業活動の可視化を開始
営業活動の可視化を目的に、SFA から Microsoft Fabric へのデータ連携を実施し、日次レポート配信を開始しました。
これにより、
・営業活動量
・訪問内容
を可視化し、営業戦略における判断軸を全社で統一することが可能となりました。

20256月|リネンサプライ事業部へ展開
リネンサプライ事業部にて収支レポートの作成を開始。あわせて、同事業部の SFA 基盤である Dynamics 365 から Microsoft Fabric へのデータ連携を行い、レポート公開を開始しました。

20257月|チーム粒度での可視化を実現
ホームケア事業部各営業所内において、チーム単位での可視化を開始。
チームごとの状況把握が可能となり、より細かなマネジメントを実現しています。

20258月|リネンサプライ事業部向けレポート公開へ
・リネンサプライ事業部の収支レポートを正式公開
・ホームケア事業部における「売上マイナスインパクト」に関するレポートを公開
データ活用の幅をさらに広げ、課題の早期発見と迅速な意思決定を支援しています。

 

事業部側メンバーを巻き込んだ体制

BIツールを導入した際、起こりがちであるのが、DWH構築からレポート作成までをシステム部門が担当し、結果として事業部側ユーザが本当に見たい情報を提供できないことです。
ヤマシタでは、システム部門はFactテーブルの構築まで、事業部側メンバーにセマンティックモデル構築、レポート作成を行う体制としています。これは営業活動の段取りを事業部側が大事にしており、日々の活動にFabricが欠かせない要素であるため、事業部側のプロダクトオーナーには営業部門を管轄する責任者が配置されています。
その結果、事業部ユーザが見たい情報を盛り込んだレポート作成をスピーディーに行い、定期的な改修、新規レポート作成を行うサイクルを確立しています。

 

今後の展望

ホームケア事業部において、現状では各システムにあるデータをOneLakeMicrosoft Fabricにおけるクラウド環境のDWH)に集約し、ユーザが望むレポートの作成、公開までとなっています。これからは集まったデータを元に、営業活動の貢献につながるAIエージェントの構築を行っていく予定です。
データを元にした分析、判断の補助や、大量データの中から見落としがちな情報の自動抽出といったことを想定しています。

 

リネンサプライ事業部においては、意思決定と改善を自動で後押しする仕組みFabricで構築することを予定しており、まずはデータの設計段階から関わっています。具体的には、
・工場のPLCデータ/現場の活動実績データを取得・蓄積する仕組みの構築
・蓄積した実績データを元にKPIの可視化・原価計算への適用
・現場改善アクションを提示するAIアシスタント
・生産計画、需要予測といった高度なデータ活用
といったステップで事業貢献に向けたデータ活用を推進予定です。

 

データ活用におけるヤマシタの魅力

大きく3点の魅力があります。

・事業と近い距離で、改善に直結するデータ活用が可能なこと。

現場の課題を自ら見つけ、仕組みの構築、データモデルや基盤設計から手を動かすことが可能であり裁量を持って進められること。

・AI・新技術を活用することを求められるので、自身も成長しながら、未来の業務をデザインし業務貢献を行えること。

当然、大変なこともありますが、自身がやったことがダイレクトにユーザや業績に繋がる場面もあり、大きなやりがいを持って自身の成長にも繋がる点が大きな魅力です。

 

本記事に掲載する社名または製品名は、各社の商標または登録商標です。

 

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