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在宅介護テックが持つポテンシャルとチャレンジする意義

在宅介護テックが持つポテンシャルとチャレンジする意義

2024.11.28
DX
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Release:2024.11.28 Update:2024.11.28

「ここには活躍の場がある」“介護Techプラットフォーム”推進企業が本気で進めるIT人材拡大計画

DX推進のために、経営とITをつなぐ役割を担う方々にインタビューしました。
※2023年8月28日に、IT Mediaにて掲載されていた内容を転載しています。

 

DX推進における企業の課題

DX推進に臨むヤマシタの挑戦

DX推進を目的にさまざまな企業がIT人材の確保を急ぐ。だが、IT人材がいても経営や事業部門の足並みがそろわなければIT戦略も計画倒れになる。そうした中、ヤマシタは企業トップがIT戦略にコミットし、プラットフォーマー化を本気で目指し、変革をドライブする人材を積極的に採用中だ。

「ここで技術者としてだけでなく、モダンな経営をドライブさせてプラットフォーマーとしてTech大手に引けを取らないソリューションを展開するために、経営とITをつなぎ、自身のスキルアップにもつなげたい」――。そう語るのはヤマシタの中本健太氏(システム部)だ。中本氏は、IT戦略強化を進める同社の成長の可能性にひかれ、自身のスキル向上を目指して2023年6月から同社に参加した。

ヤマシタは1963年の創業以来、日本の介護用品レンタル・販売およびリネンサプライのパイオニアとして業界をリードしてきた老舗企業だ。事業を継承した山下和洋社長の下で「在宅介護における自立した生活と自己実現を諦めない生き方ができる社会」を目指し、海外展開やDX推進、介護Tech領域での新たな取り組みを積極的に続ける(関連記事:成長市場の介護業界で売り上げ1兆円を目指す在宅介護テック企業のポテンシャルは?)。

プラットフォーマー化に向けた内製化とIT部門強化

ヤマシタが現在力を入れて取り組んでいるのが、内製化による基幹システムの刷新だ。同社の基幹システムは2015年に当時の安定した技術を使って構築したものだ。これまで問題なく稼働してきたが、ヤマシタが新たな取り組みを展開する中で時代にそぐわなくなってきていたという。ヤマシタの斎藤 聡氏(システム部 部長)はこう話す。

「ヤマシタは、介護Techを軸に業界のプラットフォーマーとしての立ち位置を目指しています。そのために重要なのが変革をリードし、業界を変え得るIT戦略を持つことです。この目標に向け、自社の業務改革はもちろん、新たな価値創出のためにさまざまなスタートアップとの協業も積極的に進めています」

同社はこの目標達成を目指して積極的にIT投資を実施し、人材採用を進めている。システム部は全員がテレワーク可能で、居住地にも制約がない。間もなく参加する人材は「地方移住を決め、環境の良い富山県を拠点にする予定」(斎藤氏)だという。

斎藤聡

ヤマシタ 情報システム部 部長。2030年、2050年に向けて中長期のITシステム企画を検討する立場にある

社内の90%をクラウド化、残る基幹システムをアジャイルに刷新

社長室 DX推進責任者/小川邦治

同社のDX推進の責任者を務める小川邦治氏(社長室 DX推進責任者)は「事業者としてTech大手のサービスを超えていかなければならない」と、IT部門強化への意気込みを語る。

IT部門は顧客向けサービスの開発を進める傍ら、社内業務環境のモダナイズも急ピッチで進めている。デジタル化が進まない業界にあって、行政とも連携しながら実践を通じて業界のITモダナイズをリードするというもくろみもある。

「とはいえ手付かずの部分も多く、やることはたくさんある」と小川氏は話すが、既にさまざまな業務システムのSaaS(Software as a Service)化を進めており、業務システムのクラウド利用率は90%に達する。

IT部門の目下の課題が基幹システムのモダナイズだ。

「現在の基幹システムはモノリシックなアーキテクチャで構築されていて、変化に対応しにくいのが課題です。システムのアジリティー向上を目指して段階的にマイクロサービスアーキテクチャに移行し、内製化を進めています。同時に組織体制や評価制度なども改め、透明性が高く、環境の変化にクイックに対応できる組織を目指しています」(斎藤氏)

その一つが営業所の訪問計画・実績収集システムだ。同社DX推進責任者の小川邦治氏はこう話す。

「スクラム開発の手法を使い、営業所で実務に関わる従業員をプロダクトオーナーとするチームを組んで取り組みを進めています。非IT部門の従業員はプロダクトオーナーになることも初めてですし、アジャイル、スクラム開発も初めてなので手探りのところもあります。他の企業では事業部門との連携が障壁となることもあるようですが、当社のもともとの組織風土として優しくて真面目な人が多いことが幸いしてか、初めての取り組みでも真剣に前向きな気持ちで取り組んでいて、スムーズに進んでいます。従業員のこうした貢献をしっかりと評価する制度を整えていく予定です」(小川氏)

図1 ヤマシタのITシステム全体像(出典:ヤマシタの提供資料)

小川邦治

ヤマシタ 社長室 DX推進責任者。アクセンチュアで小売業を中心とした顧客企業のDX推進を支援してきた経験を持つ。2022年12月入社

裁量を持ってやりたいことが実行できる環境

中本健太

このプロジェクトの開発チームをリードするのが中本氏だ。中本氏はもともとSIerとして主に金融系、物流系のwebシステム開発などを手掛けた他、介護事業会社の社内SEとして医療・介護領域の基幹システム企画・設計も経験している。

「技術者としてアーキテクチャ設計などの上流工程にユーザーサイドで携わることは、スキルアップを考える上でも大きな魅力でした。技術力や知識を生かしてエンドユーザーと外部パートナーをつなぐ役割にもやりがいを感じます」(中本氏)

急ピッチで改革を進める同社は「まだまだやることがたくさんある状態」(小川氏)だ。中本氏には現場の課題を見つけて改善策を提案し、実行することが期待されている。

中本氏は入社後、「現場研修」として営業所での仕事やケアマネジャーに同行して訪問介護の業務を経験した。その後は「手始め」として営業所の訪問計画・実績収集システムの刷新を担当している。

図2 訪問計画・実績収集システム全体像(出典:ヤマシタの提供資料)

「実務現場にはまだアナログな業務が残っています。予実管理は営業所ごとに『Microsoft Excel』のスプレッドシートを集計して基幹システムと連携してきたため、情報がサイロ化、属人化しておりデータを活用できていない点が課題です。まずは『Salesforce』と基幹システムを連携させて効率化を進めています」(中本氏)

プロジェクトはプロダクトオーナー1人と開発チーム3人で取り組んでいる。週に数回のミーティングをこなし、プロジェクト管理ツール「Jira」やコラボレーションツール「Confluence」なども活用して、要件定義やバックログを作成する。中本氏はプロダクトの技術面をリードする立場としてミーティングを重ねる中で、業務を把握するためのヒアリングにプロダクトオーナーらが「前向きに丁寧に対応してくれることがうれしい」と手応えを感じている。

「プロダクトオーナーはプロジェクト管理そのものが初体験です。『もっと教えてほしい』と要望する従業員が多く、前向きで熱心に取り組む社風を肌で感じています。プロジェクトの進め方に慣れてくれば、プロダクトオーナーや開発チームがインフルエンサーになって社内での活用が広がっていきます。こうした“民主化”に向けて『もっと触ろう会』(管理ツール体験会)などの実施も計画しています」(中本氏)

中本健太

ヤマシタ システム部 基幹システム開発チーム。SIerや介護事業会社の社内SEを経験後、2023年6月にヤマシタへ入社。

スクラムでクイックな改善を可能にする体制づくり

新しい営業所管理システムはローコード/ノーコードプラットフォーム「Salesforce Lightning Platform」を使ってクイックに開発を進めている。

「ノーコード/ローコード開発ツールは誰もがすぐに扱えるというメリットがありますが、複雑な実装になるとSalesforce固有の知識も必要になります。私自身も少しずつキャッチアップして取り組んでいます」(中本氏)

プロジェクトは2023年9~10月に第1次PoC(概念実証)が始まり、その後はサービス改善を続けながら本番環境に段階的に移行する計画だ。並行して対象営業所や業務領域の拡大も図り、周辺システムをクラウド化しつつ基幹システムのアーキテクチャやシステム構成の刷新などにも取り組んでいく。

「SIer時代にも上流工程で経営を支援する役割を担った経験があり、それらの知識やノウハウを生かしています。まずは幾つかのプロダクトを進め、ゆくゆくは収益力向上や価値向上につながる提案をしていきたいと考えています」(中本氏)

近い将来のビジョンについて、中本氏はこう説明する。

「まだ入社したばかりで何かを成し遂げたわけではありませんが、介護ドメインの知識とITやアジャイル開発の知識を組み合わせてプロダクト開発を進めつつ、いずれは上流工程でビジネス貢献につながる企画もリードしたいと考えています」

IT人材にとって「やりがいのある場」を作る

ヤマシタは2023年度まで内部向けシステムを中心に開発し、2024年度以降は外部向けデジタルサービスを開発する予定だ。その際に重要な役割を果たすのが内製化チームだ。

小川氏は「システム開発を内製化し、アジャイル開発で組織文化や風土も含めて変革していきたいと考えています。中本はその内製化チームとして採用した第1号です。私のミッションは、中本が飽きないような仕事を与え続けること。今後開発を進めながら仲間を増やし、内製化の体制をさらに充実させる考えです」と話す。

内製化に向けた人材獲得や人材育成はどの企業にとっても課題だ。どんなに素晴らしい企業理念を持ち、成長が期待できる事業でも、採用したい人材にその情報が届かないことも多い。こうした中でヤマシタが重視しているのは「場の提供」だという。

斎藤氏は「人材が活躍できる場を提供することが私や小川の役割です。先回りをして『場』をどんどん作る必要があります。優秀なメンバーにやりがいを感じてもらえるように、常に面白いものを出していきたいと考えています。特にプラットフォーム化戦略を支えるIT部門については、先進的な施策にどんどん取り組めるやりがいや面白さを提供し続けたい。これは当社トップの考えでもあり、業務環境のモダナイズは現代的な経営を目指す当社らしさだと自負しています」と語った。

ヤマシタは今後も介護Techプラットフォーマー構想を実現するための人材採用を積極的に進める。チャレンジ精神を応援する企業風土があり、業務改革や事業開発、経営戦略に資するIT企画に携わるチャンスが用意されている。自身のキャリアプランを構築する上でも魅力的な企業だといえるだろう。

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