Release:2025.12.09 Update:2025.12.22
超高齢社会の進行とともに、介護業界には、サービスを「どう持続させるか」という大きな課題があります。
ヤマシタでは、その解決の一つの手段としてM&Aを積極的に推進しています。
2025年、飲食業界の人事総務責任者から、介護用品レンタルのM&A担当へと大きなキャリアチェンジを遂げたのが、法人営業課の鈴木悠理です。
前職で「会社を内側からつくり変える」と同時に、M&Aを売り手・買い手両面から実務で担当してきた彼が、なぜ介護用品レンタル業界のM&Aに挑戦するのか。その背景と、ヤマシタで感じているやりがいについて聞きました。
社会的意義 × ダイナミック × 事業成長
Q.前職ではどのような仕事をされていましたか?
鈴木:前職は、株式会社アクティブソースという飲食企業で、人事総務部の責任者を務めていました。その前はビールメーカーでエリア営業として、酒販店・飲食店・量販店などを幅広く担当していましたが、そこでのご縁から、転職した、という流れです。
入社当時のアクティブソースは、ベンチャーらしい勢いがある一方で、制度や仕組みはまだ発展途上でした。
そこに対して、
・急拡大に伴う組織体制の再構築
・採用戦略の立案・実行
・労務リスクの管理
・評価制度や就業規則などのルール設計
といったテーマに、人事総務部の責任者として取り組んできました。
そして、この時期に実は M&Aの実務を「売り手と買い手の両面」から経験したことが、現在のキャリアにつながっています。
具体的には、
・同業界の飲食店運営企業の買収実務(デューデリジェンス~PMI)
・自社の売却(大手企業のグループイン)に関するデューデリジェンスやPMIの窓口
を経験してきました。
このように、“会社を内側から整える仕事”と並行して、複数のM&Aを実務担当として推進していたことが大きな経験でした。
Q.前職でのやりがいは?
鈴木:一番のやりがいは、「会社が良くなっていく過程を、社員と一緒に実感できたこと」です。
制度やルールを整備していくことで、社員が安心して働ける環境が少しずつ整い、
「ここで働けて良かった」
「結婚や出産のライフイベントを迎えても、この会社で続けたい」
といった声が増えていきました。育休からの復職も当たり前になり、離職率も下がっていきました。
同時に、売上・利益が着実に伸び、事業存続に対する不安は薄れていきました。内部の整備だけではなく、事業としてきちんと利益が出るようになっていったことで、「いい会社だと言える条件が、少しずつ揃ってきた」と感じられたことが、何よりのやりがいでしたね。
「成長していく会社を、内側から創り上げる」という仕事に、非常に大きな達成感を覚えていました。

Q.そんな前職から、なぜ介護用品レンタルのM&A担当という“異業界”への転身を決めたのでしょう?
鈴木:まず前提として、前職に不満は全くありませんでした。むしろ「自分が思い描く良い会社に、実際に近づけることができた」という手応えがあり、「やり切った」という感覚に近かったと思います。
転機になったのは、子どもが生まれたことでした。
自分のキャリアを長い目で見直したときに、次のステージでは
1.社会に対してより大きな貢献ができること
2.ダイナミックな変化の中で自分も成長できること
この2つをより強く求めるようになりました。
転職活動では、複数のエージェントと対話を重ねながら、自分の志向や強みを言語化していきました。そのプロセスの中で出会ったのが、介護用品レンタル事業を展開するヤマシタです。
① 成長市場としての魅力と、事業の社会的意義
介護用品レンタル業界は、超高齢社会の日本において、今後も安定した成長が見込まれる市場です。同時に、社会保障費の抑制や在宅介護の推進という流れの中で、生活を支えるインフラの一部にもなっている重要なサービスです。高齢者の方、そのご家族、ケアマネジャーなど他の介護職種の方々——多くの人々の生活に直接的なインパクトを与える事業であることに、大きな社会的意義を感じました。
また、この業界はプレイヤーが多く、シェアが分散している“業界再編の途上”にあります。その中でヤマシタは、「No.1企業」になり得るポジションにいると感じました。「成長市場で、本気でシェア1位を取りにいくフェーズ」に関われる機会は、そう多くありません。非常に高い水準でオーガニック成長を遂げているヤマシタですが、M&Aを通じた規模の拡大でも、No.1に貢献する仕事ができることは大きな魅力でした。
② 経営陣の意欲と、意思決定の柔軟さ
また、面接を通じて印象的だったのは、経営陣の「成長への強い意思」と「投資への積極性」です。特に、社長の和洋さんは、三代目として事業承継した立場でありながら、現状維持ではなく、借入をしてでもM&Aに踏み切り、デジタル投資にも積極的に舵を切っています。その姿勢から、「現状にとどまらず、次のステージへ会社を引き上げようとしている」強い意欲を感じました。
また、これまでM&Aを実務で売り手、買い手の両面から経験し、人事制度やPMIに関わる領域も横断的に担ってきた点を評価いただき、今回の役割にお声がけいただいたと理解しています。肩書ではなく実績と経験の本質を見て適材適所を判断する姿勢に、組織としての柔軟さと、経験を正しく評価してくれる懐の深さを感じました。
③ M&A担当への挑戦と、「買収される側、買収する側」の経験
前職では、買収する側としての実務に加え、自社が買収される側としての実務対応も経験しました。その中で、売り手企業が抱える不安や現場の戸惑い、そして買収後に必要となる制度・オペレーション統合の難しさを、両方の立場で理解することができました。
だからこそ、
・買収される企業側の気持ちを理解しながらM&Aを進めること
・PMIのプロセスで、人の不安や戸惑いに寄り添いながら統合を進めていくこと
には、自分ならではの価値を出せるのではないかと感じました。
38歳という年齢もあり、「キャリアの幅を広げるラストチャンスかもしれない」と思ったことも正直な気持ちです。
“現場に触れて確信した”——この仕事は、人の暮らしを支えている
Q.実際に働いてみて、前職とのギャップで一番驚いたことは何ですか?
鈴木:良い意味で一番驚いたのは、「社内外に本当に良い方が多い」ということです。
介護という、人の生活に深く関わる事業の特性もあってか、社員一人ひとりが高いホスピタリティと倫理観を持っていると感じます。
社内の同僚はもちろん、パートナー企業の皆さま、ご利用者様のご家族、ケアマネジャーの方々——関わる方々から、事業への真摯な姿勢と温かい人柄を日々感じています。
営業所での現場研修では、「ご利用者様からの感謝の言葉」を間近で聞く機会が数多くありました。
あるご利用者様は、長年お使いの戸棚を手すり代わりにして立ち上がっていらっしゃいました。壁に釘2本で留まっているだけで、非常に危険な状態です。
ヤマシタの営業担当者が手すりの設置をご提案しても、最初はあまり前向きではありませんでしたが、
「一度試してみて、合わなければ外しましょう」
と丁寧にご説明を重ね、実際に設置して使っていただいたところ、その場で
「これは楽でいいね」
と笑顔でおっしゃってくださいました。
こうした、「生活が少し楽になった」「安心できるようになった」という瞬間に立ち会えるのは、介護用品レンタル事業ならではのやりがいだと思います。
M&Aは一見すると“本部側の仕事”ですが、最終的にはこうした現場の価値提供につながっているのだと実感できることは、大きなモチベーションになっています。
また、前職でも「自分たちなりの良い会社」をつくることに力を注いできましたが、その会社と比べても、ヤマシタに対してネガティブなギャップをほとんど感じていません。働く環境や人、企業文化の面で、前職と同じ水準、あるいはそれ以上の安心感を持てていることは、嬉しい驚きでした。

Q.今とくに注力しているテーマやミッションは何ですか?
鈴木:ヤマシタの介護用品レンタル領域のM&Aを担う法人営業課は、地域に根づいた企業様の想いや強みを引き継ぎながら、既存エリアのサービス力向上や新たな地域への展開を通じて“より多くのご利用者様に安心を届けられるネットワークづくり”をミッションに、毎年10件以上の事業連携・統合を進めています。ヤマシタのM&Aにおける強みは、社員に求めるスキルが明文化された人事制度および中途入社でも安心のオンボーディングマニュアルや各種研修と、ローコード・ノーコード開発やAI活用などの現場発のDXによる標準化で、売り手企業の社員もヤマシタ社員として活躍しやすい環境が整備されており、売り手企業の経営者も安心してヤマシタに社員を任せられると感じていただける体制にあります。
そうした中で、私は介護用品レンタル領域のM&Aに加え、ヤマシタが目指す“在宅介護プラットフォーマー”への進化に向けたM&Aについても取り組んでいます。在宅介護プラットフォーマーとは、介護用品レンタルの約10万人の利用者接点を活かしながら、テクノロジーを活用した多様なソリューションを提供することで、ご利用者やご家族が抱える在宅介護にまつわる課題を解決できる領域を広げていくことです。
とはいえ、まだ入社したばかりですので、直近の私のミッションは、「M&Aという成果が求められる領域で、確実にバリューを発揮するための土台づくり」だと考えています。
そのために、この1か月は営業所での現場研修を通じて、
1.ビジネススキームと収益構造の深い理解
・介護用品レンタルの仕組み
・ご利用者様・ご家族・ケアマネジャー・行政など、多様なステークホルダーの関係性
・ヤマシタが強みとしているオペレーションと収益モデル
を、現場の視点も交えて立体的に理解することを重視してきました。
2.業界とヤマシタへの“共感”の醸成
M&A対象企業の価値を正しく見極めるためには、財務数値だけでなく、その企業が大切にしている文化や現場の想
いへの共感が不可欠です。同時に、ヤマシタ自身が大事にしているカルチャーを、自分の言葉で語れるようになる
ことも、統合を成功させるうえで重要だと考えています。
さらに、現場研修を通じて、
「なぜ、介護用品レンタル業界でM&Aが必要なのか」
「なぜ、ヤマシタがその役割を担うべきなのか」
という問いに対して、自分なりの答えを持てるようになってきました。
介護用品レンタルは、ご利用者やご家族、社会にとって「必要不可欠なサービス」です。
そのサービスが明日も、来年も、10年後も続いていくためには、しっかりと売上と利益を出し続けることが欠かせません。
業界の中で体力のある企業が、M&Aを通じて事業を引き継ぎ、サービスを持続させる——
これは、ご利用者様やご家族にとっても、社会全体にとっても、非常に大きな意味を持つ行為だと考えています。
ヤマシタは、単に子会社化するのではなく、吸収合併によって社員の皆さまをヤマシタグループの一員としてお迎えするスタイルをとっています。その姿勢にも、「サービスと雇用をしっかりと守りながらスケールしていく」という強い意思を感じています。
今後は、こうした考え方をベースに、一つひとつの案件において「ヤマシタにとっても、売却側にとっても、ご利用者様にとっても良いM&Aとは何か」を考え抜き、提案・実行していくことで、ヤマシタの領域をご利用者の人数や提供できるサービスの幅を広げていくことが、自分の大きなミッションだと捉えています。
M&A関連職種の募集は下記よりご応募ください。
M&Aアナリスト